経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解) 
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2201a.pdf 

<概要>

● 前回の見通しと比べると、成長率については、2021 年度は供給制約の影響から下振れる一方、2022 年度は政府の経済対策の効果や挽回生産などを背景に上振れている。物価については、資源価格の上昇やその価格転嫁などを反映して、2022 年度が幾分上振れている。

BOJ_実質GDP_2021_1

BOJ_消費者物価指数_2021_1

当面の金融政策運営について
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/k220118a.pdf
記者会見要旨
https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2022/kk220119a.pdf
金融政策決定会合における主な意見
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2022/opi220118.pdf
物価

● 消費者物価の前年比は、エネルギー価格上昇の影響に加え、多くの企業が従前のデフレ下におけるビジネスモデルの限界を意識し、価格設定行動を変化させることで、物価上昇圧力が強まることが考えられるため、先行きは1%を上回る水準で推移すると予想する。

● 本年4月以降、携帯電話通信料の引き下げ要因が剥落し、それに諸要素が重なれば、消費者物価の前年比は瞬間風速的に2%に近い水準まで上昇する可能性がある。その際には、物価上昇の背後にある要因や、それが持続する力が備わっているかが重要である。

● 消費者物価は、2022 年前半に一時的に1%台半ばに到達する可能性はあるが、その後もモメンタムが維持されて2%の「物価安定の目標」に近づき安定的に推移するかは、賃金上昇率と中長期インフレ予想の動向、つまるところ需要の強さによる。
Ⅱ.金融政策運営に関する意見

● オミクロン株による感染の急拡大により経済・物価の先行き不透明感が高まっている中、当面は企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に引き続き万全を期していく必要があり、現在の金融緩和を継続していくことが妥当である。

物価に関する上記引用を見ると、一時的に物価目標2%が達成したとしても、経済状況が劇的に改善されるわけではないので、緩和の維持・及びステルステーパリングを行って行くしかないないのではないかと思われる。

常態化及び正常化の議論*1も重要であるが、「最後の貸し機能*2」が優越されると筆者(@manetary)は考えている。

<注釈>
1:早川英男 綱渡りを強いられるFRBの金融政策
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3890
2:福田慎一「金融論 新版」